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PSWと精神科薬~できるPSWになるための第一歩

本日は千葉県PSW協会にて研修会を行ってきました。

タイトルは「PSWと精神科薬~できるPSWになるための第一歩」。

抗精神病薬、緩和精神安定剤を中心とした精神科薬物療法に関して説明しました。
利用したスライド資料を添付します。

PSWと精神科薬~できるPSWになるための第一歩~

こうした研修会、話をしている私の方が勉強になっていたりします。

更新:2016/8/21

毎日新聞 わたしの視点

毎日新聞朝刊「わたしの視点」に7月26日の相模原事件をうけて、さまざまな方のメッセージが掲載されています。

毎日新聞「わたしの視点」

本日、私のメッセージが掲載されました。

わたしの視点

私が取材の時に伝えたメッセージです。

今回の事件は余りに痛ましく、その後の社会の動きも含めて衝撃的であった。
そして、さまざまな問題を私たちに提起した。
平成4年に医師となり、ずっと精神科医療に従事してきたものとして、精神科医療制度の問題を考えたい。

日本ではじめて制定された精神障害に関する法律は、1900年の精神病者監護法である。
この法律は、社会秩序維持、精神障害者の他者に対する危険の防止に力点を置いた法律であった。私宅監置室、公私立病院は警察行政下におかれ、治療的雰囲気はなかった。
それから116年が経過した。この間、法律の名前も精神衛生法、精神保健法、精神保健福祉法と変わり、依然として精神科医療は収容主義の病院医療中心であるものの、社会全体としては精神障害者の地域支援充実が図られてきている。

思うに精神障害に関する最も大きな偏見は、「精神障害と犯罪」に関する偏見であろう。
時に起こる世間を揺るがす大きな事件が起こる。1964年のライシャワー事件、2001年の池田小事件。
こうした事件があるたびに「市民社会を破壊する危険性を持つものとして精神障害者をとらえ、治安的な取り締まりの対象として社会から排除しようとする考え方」が前面に出てくる。これは、私たちの心に精神障害者への偏見や差別意識があることを示していないだろうか。こうした私たちの心にある精神障害者への偏見、差別意識への自覚も必要だ。

実際は
精神障害者による犯罪行為に当たる事件は他の市民のそれに比べて、発生率、発生件数ともに高くない。時として起こる不幸な事件は精神医療の提供がなく、もしくは医療の中断という事態の中で生じているのであり、再犯率に至っては極端に低いという現状がある。重大な犯罪行為の前歴を持つ者が、再犯を犯している事例自体が極めて少数にとどまっている。
2002年日本弁護士連合会意見書「精神医療の改善方策と刑事司法の課題」
のである。

犯罪から市民社会を守ることはとても重要なことだ。今回の事件を受けて政府も対策を検討するらしい。こうした検討で最も重要なのは、どのような基本的なスタンス、立場から検討するかということだ。
「人々のあいだの違いを大切にして、尊重し、真の共生社会の実現を目指す立場」に立って検討するのか、それとも、「危険な人は社会から排除する」ということを前提とした立場、社会の多数派の価値観を強制する立場で検討するのかで、できてくる仕組みに大きな違いが現れてくる。

では実際にどうすればいいのだろうか。私たちは、世界の実践から多くを学ぶことができる。

イタリアの北東部にあるトリエステという県では、1978年以降入院治療を廃し、地域精神医療の徹底のために、行政、医療関係者、地域住民が協力し合っている。これはまさに世界的にも注目に値する実験といわれているが、日弁連の今回の調査において、この地域における精神障害者の事件発生件数が入院治療を廃止する前には1年間で15人であったのが、最近の10年間では総数で4人と激減する実績を誇っていることが明らかになっている。「初犯」を防ぐには精神医療の改善・充実以外にないことをトリエステの実践が示しているのである。
(2002年日本弁護士連合会意見書「精神医療の改善方策と刑事司法の課題」)
WHOは1970年代から80年代初頭にかけて、トリエステの実践を「実験」と言っていた。その後は、「持続可能な推奨モデル」と認定されている。

最も有効な対応は、地域精神科医療の充実、精神科医療の地域化である。

日本では、現在も入院中心の収容主義の精神科医療が実践されている。これまでの日本の精神科医療改革は、長期入院者、社会的入院患者の地域移行が主な目的であった。しかし、いくら地域に出ても、現在のように地域で精神障害者を支える仕組みがなければ、暮らし続けることはとても難しい。
必要なのは、精神科医療の地域化と精神障害者を支える仕組みの充実である。

更新:2016/8/19

人工知能学会:近未来チャレンジにて

静岡大学情報学部竹林教授と共同提案した人工知能学会における近未来チャレンジ「認知症の⼈の情動理解基盤とコミュニケーション⽀援への応⽤」、今回3年目を迎えました。
さまざまな方のご参加をいただき、今回もトップスコアで「サバイバル成功」となりました。

私のプレゼン「精神活動の理解を深める見たての知の構築」を添付します。

精神活動の理解を深める見たての知の構築

更新:2016/6/7

小象の会での講演

本日、NPO法人生活習慣病防止に取り組む市民と医療者の会「小象の会」で講演をしてきました。

第20回小象フォーラム

パワーポイントのノート形式で、講演内容をまとめました。

講演パワーポイント資料

更新:2016/5/14

日本精神科病院協会の戦術転換

最近、病床転換型居住系施設問題に関して、日本精神科病院協会(以下、日精協)が戦術転換をしたようです。

私が所属する内閣府障害者政策委員会で5月19日、精神科医療に関する第一回目のワーキングセッションが行われました。
内閣府 障害者政策委員会

当日、参考人の池原弁護士が障害者権利条約、国連人権規約と拷問等禁止条約と精神保健福祉法の問題について意見陳述をされました。この中で病床転換型居住系施設問題に触れられています。(29分40秒頃から)
障害者政策委員会ワーキングセッション2-1 精神障害者・医療ケアを必要とする重度障害者等の地域移行の支援など (2015年5月19日(火)開催)

その後、
障害者政策委員会ワーキングセッション2-2 精神障害者・医療ケアを必要とする重度障害者等の地域移行の支援など (2015年5月19日(火)開催)
の23分頃から日精協出身委員の平川先生のプレゼンテーションの中に病床転換型居住系施設問題に関する意見が述べられています。

「病棟をそのままアパートに転換するなどとんでもない話だ」という(池原先生の)ご意見に私も大賛成であります。精神障害者だけを収容する住宅を作ることは我々病院にとっても決して幸せなことではありません。よく委員会で、さも病院協会の代表が提案したような偏見に満ちた攻撃を受けますが、決してそうではなくてですね....

日精協理事が、厚労省が推進する病床転換型居住系施設に反対であると述べたのです。

当初、なぜなのか理解しずらかったのですが、以下のように解釈しました。

日精協では、平成22年より将来ビジョン戦略会議を重ね、平成24年5月に将来ビジョンを公表しました。
日本精神科病院協会 将来ビジョン戦略会議

この「4.各検討チームの報告書」の中の「生活施設検討チーム 報告書」で精神科病棟をそのまま老健施設に転換する「介護精神型老人保健施設」の創設を主張しました。
・過剰病床問題
・入院患者高齢化問題
の究極的解決策として強力に創設を主張したのです。

私は、日精協が今でも本当にやりたいと思っているのは、精神科病棟の転換老健への転換、すなわち介護精神型老人保健施設の創設なのではないかと考えています。
我々の描く精神医療の将来ビジョン
これは、日精協が厚労省審議会「精神科医療の機能分化と質の向上に関する検討会」第3回に提出した資料です。

老人保健施設は医師がトップの医療モデルの施設であり、100:1で医師の数が少なくてすみ、さらに医師の当直が不要になります。そして、介護療養病棟の病床転換支援策で提示された転換老健と同条件であれば、現在約15万床存在する15:1病棟に比較して売り上げが1-2割増えます。15:1病棟には多くの長期入院患者が入院しています。15:1病棟を精神老健に転換できれば、改装費もそれほどかからず、収入面でも大幅な改善が見込めるからです。

しかし、「介護精神型老人保健施設」は平成24年当時民主党政権下の厚労省老健局から、「こんな質が悪い老健は認められない」と一蹴されました。今でも日精協ではこのときに拒否されたことを相当恨みに思っている様子です。

平成25年10月17日、岩上氏が厚労省の検討会「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」(その後「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」と改称)で「病棟転換型居住系施設、例えば介護精神型施設、宿泊型自立訓練、グループホーム、アパート等」という言葉が入ったペーパーを配布しその推進を訴えました。
←このときには、転換先として「介護精神型施設」という名称が入っていました。

たぶん地域移行で実績がある岩上氏に精神科病棟の居住系の施設への転換を主張させれば、世間的な抵抗が少なくすんなりと認められる可能性が高いのではないかと考えた日精協が、裏で岩上氏を操る糸を引いていたのではないでしょうか。(これは私の単なる推測です。)

しかし、日精協の予想に反して、激しい反対運動が起きました。

反対運動の激しさから病床転換型居住系施設がすんなりと受け入れられないのを見て、日精協は考えを変えました。病床転換型居住系施設は、自分たちは関係ないところで岩上氏が言い出し、勝手に厚労省が提案してきたもので、巷では日精協が提案したように批判されて迷惑という立場を取り始めたのです。

そして、いろいろな条件をつけられた「病床転換型居住系施設」の例示から介護精神型施設を外させました。
(昨年7月の「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に関わる検討会取りまとめ」の病院資源の有効活用の部分を読むと、「転換老健型の施設」の記載がありません。)
「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策の今後の方向性」とりまとめについて

病床転換型居住系施設のようにいろいろ面倒な条件をつけられないように「転換老健型の施設」を例示から消したのではないでしょうか。

民間精神科病院に勤務する私の感覚では、病院にとって最もメリットがあるのは精神科病棟の転換老健化なので、日精協はこれから介護精神型老人保健施設の創設に向けて新たな戦略を持ち出してくる可能性が高いのではないかと考えています。

更新:2015/5/24

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